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2007年9月 9日 (日)

神聖なものに従う神獣

神聖なものに従う2体1対の神獣という形式を持つ資料をいくつか例示してみましょう。

特に、その中のライオンもしくはライオンを構成要素とする合成獣(スフィンクスやグリフィンなど)を伴うものを取り上げてみます。

チャタル・ホユックの地母神像に近いもの、つまり、直接神像に従っているものをまず挙げてみます。

○ナルンテ女神像

年代・出土地などの明記はない。女神の座る玉座の側面にライオンが浮彫りにされている。

(「古代メソポタミアの神々」 2000年)

○クノッソス宮殿

BC15世紀。ギリシア・クレタ島。宮殿玉座の間の壁画に玉座を挟んでグリフィンが描かれている。直接というと若干違和感はあるが、類似のものとして挙げておく。

○神像台座

BC9世紀。トルコ・カルケミシュ遺跡。神像を載せる礎石に従者に牽かれる2頭のライオンが浮彫りされている。ライオンを連れている従者は頭部がワシとなったグリフィン魔人と呼ばれる姿をしている。

(「グリフィンの飛翔」林俊雄 2006年)

   

web上でこの資料の画像がないか探していたところ、トルコのアンカラにあるアナトリア文明博物館の所蔵品にいくらか似たようなものを見つけた。ヒッタイトの資料のようだが、それならばこの資料よりは古いものとなる。
なお、ライオンの間にいる人物は≪グリフィン魔人≫ではないようだ。

Photo ○神の座

BC4世紀。ティル地方出土。玉座の左右にスフィンクスがいる。玉座には神自身ではなく石碑が表現されている。

(「メソポタミア文明展」図録 2000年 写真の引用元も同じ)

一方、器の紋様や、印章の図案の中に、神や聖なる樹を挟んで対になったライオン類が表現されているものが、数多く見られます。

Photo_2 ○一角獣と聖樹の容器

BC28BC27世紀。ステアタイト製。聖なる樹を挟んで一角獣が向かい合っている。一角獣は山羊の体+ライオンのたてがみ+ライオンの尻尾+コイル状の太く真直ぐな角という合成神獣。

(「古く美しいもの」中近東文化センター 1993年 写真の引用元も同じ)

○埋葬用の甕

BC13BC12世紀。マリ1号墓出土。三日月の上にバラが表現された紋章があり、それを挟んでライオンが線刻されている。

(「メソポタミア文明展」図録 2000年)

   

こうしたものも、神聖なものに従う2体1対の神獣という形式に含めてもいいでしょう。

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