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2007年9月30日 (日)

闇の狛犬

「怖いこわい京都、教えます」(入江敦彦 新潮社 2007年)という本を読みました。

その中に『闇の狛犬』という一項がありました。

「狛犬」と言いながら、その項目では、狛犬愛好家には有名な京都・大豊神社の鼠などがまず紹介され、その後に問題の「闇の狛犬」に言及します。

住宅街の中のさして大きくない神社の賽銭箱のある正面から拝殿までの2メートルほどの空間。

 狛犬は、その空間にいた。左右に配された石組みの立方体の上、なぜか二匹は拝殿のほうを睨んで。木像なのはわかった。けれど屋根が渡され、灯りひとつない内陣にあって詳細は見えない。塗られた漆が黒く沈んでいる。かなり古そうだ。正面には回れないので、背を向けた狛犬がどんな表情をしているのかは窺い知れない。
 私には、それらの狛犬が、まるで拝殿に住まう者を威嚇しているように思えてならなかった。(略)

たったこれだけのことですが、読んでいてふと疑問を感じました。

この狛犬、実在しているのでしょうか?

たったこれだけのことで、誰かに迷惑がかかるとも思えないのですが、なぜかこの本では神社名が伏せられているのです。

この本には他にも、もっと奇妙な事例や紹介されることがあまり名誉とも思えない事例が、具体的に名を挙げて紹介されているにもかかわらずです。

実は、この話を読んで、これまた狛犬愛好家には有名なあの話を思い出しました。

「徒然草」に出てくる話(二三六段)です。

かいつまむとこんなものです。

ある者が、聖海上人など都の人々を誘い、丹波の出雲神社(現亀岡市)に参拝した。
上人がふと見ると、拝殿の回廊に置かれた狛犬が、背中合わせになって通常とは逆の方向を向いている。
上人が、これは珍しい、何か由緒があるにちがいない、と騒ぎ立てるので、仲間たちも、これはすごいなどと言い出す。
そこで出雲神社の神職に、この狛犬の謂れを教えて欲しいと声をかけると、狛犬を一瞥した神職は、子供の悪戯ですよ、と言って、狛犬を普通の向きに直して去って行った。

上の話は、オチが無いだけで、なんだかよく似た話に思えるのですが。

ただ、私も、狛犬を探して歩いていて、不気味な雰囲気の神社にたどり着いた時など、こんな妄想をしてしまいます。

ある所になぜか参拝者の側ではなく、社殿の側を向いて設置された狛犬があった。
老朽化してきたので、新しい狛犬が奉納されることになった。
その際、古い狛犬は末社に格下げされ、新しい狛犬は普通の向きに設置された。
その日以来、神社周辺でおかしな事件が続発する。
実は、元の狛犬は神社の中に邪悪な鬼神を封印するために置かれたもので、そのために顔を社殿の方に向けていたのに、それを直してしまったため、鬼神が出てきてしまったのだった。

ですから、もし本当に社殿側を向いた狛犬があるのなら一目見てみたいのです。

この話が作り話でないのなら、ぜひ神社の場所を教えて欲しいと思うのです。

京都にお住まいの方、こんな神社ご存知ありませんか?

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