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2008年7月16日 (水)

獅子舞と狛犬舞

狛犬についての疑問に、なぜ『獅子』と『狛犬』という2種類の異なる神獣を一対としているのか、という問題があります。

もっとも、既に触れているように、2種類の異なる神獣を対とするということ自体は、ユーラシア全体に散見することができる現象であって、日本だけに特異なこととまでは言えません。
しかし、なぜ『獅子』と『狛犬』なのか、ということについては、ユーラシア全体で見られると言うだけでは回答になりません。

この問題について考察する際に、必ず通らねばならないのが、舞楽です。

かつての宮中の舞楽の中に≪狛犬≫という演目が存在していたことは、複数の古文献に記述があり、多くの狛犬についての概説書がそのことに言及しています。
そして、その≪狛犬≫舞と≪獅子≫舞が組のものとして並立していたことから『獅子』と『狛犬』が対のものとなった、という考え方があります。

年代がはっきりしている最も古い≪こまいぬ≫という言葉の事例が、舞楽に用いる『狛犬頭』であったことは、既にご紹介しています
そのことから考えても、舞楽の影響で『獅子』+『狛犬』という形式が整えられたと考えることは、妥当なことだと思います。

宮中の舞楽においては「番舞」といって、2種類の舞を一組として交互に演じるという慣習があったようです。
区別としては「左舞」「右舞」と呼んだようです。
舞楽の種類自体には呉楽、唐楽、新楽、高麗楽などがあったようですが、≪狛犬≫は高麗楽に属し、高麗楽は番としては必ず右舞として舞われたようです。

≪獅子≫舞と≪狛犬≫舞は、「番舞」であり、≪獅子≫舞が「左舞」、≪狛犬≫舞が「右舞」として演じられたことから、『獅子』と『狛犬』が一組となり、しかも天皇から見て左に『獅子』、右に『狛犬』を置くようになった、というのが、狛犬の成立について、よく行われる説明です。

しかし、具体的に見ていくと、話はそこまで単純でもないようです。

そこで、以下に詳しく見ていきます。

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