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2023年12月 3日 (日)

郷土玩具の狛犬(4)

では、選んだ14点を個別に見ていきます。

 

例えば「D-2 SK40」というのは、前半は遺跡内を区分けしてつけた番号で出土区画を表わし、後半は出土した遺構の番号です。
推定年代は報告書に従っています。

 

(A)「狛犬」として紹介されているもの

 

(1)
B-2 1層より出土。
この狛犬の出土地点については、報告書に遺構としての説明文がありません。
近代以降に形成された地層から出土したようです。
この地層には、幕末から明治期の遺物が混じっているということで、正確な年代は不明です。
全体に鉛釉がかかり、一部に緑釉がかかっています。
緑釉の位置には少し模様があり、前肢後肢とも走り毛を表現しているようです。
型合わせ、中実(内部が詰っていて中空ではないということ)。
阿形、蹲踞、顔は左横向き、枝分かれのない縦一本の尾、台座なし。
高さ3.2㎝。

 

B2_1_a_20231118145101

B2_1_b_20231118145101

 

 

(2)
D-2 SK40土坑より出土。
遺構は出土陶器から1780~90年が下限と見られますが、もう少し下がる可能性があります。
無釉。
型合わせ、中実。
吽形、蹲踞、顔は右横向き、台座があり、台座底部に小孔があります。
実測図からは3方向に枝分かれした縦尾に見えます。
頭上に突起が確認できますが、おそらく角でしょう。
高さ3.7㎝。

D2sk40_a_20231118145101

D2sk40_b_20231118145101

 

 

(3)
D-2 SK46土坑より出土。
遺構は1810年以降幕末までのもの。
無釉。
型合わせ、中実。
蹲踞、縦尾、台座があり、底部に径6㎜の孔があります。
残存高4.8㎝。
報告書では狛犬とされていますが、頭部が欠損しており、厳密には狛犬かどうかはわかりません。
むしろ、尻尾の先にわずかにくびれがあり、尖端が宝珠らしき形に見えるので、尾の先端に宝珠を載せたタイプの狐と考える方が妥当だと思われます。

D2sk46_a_20231118145101

D2sk46_b_20231118145101

 

 

(4)
H-1 SK221土坑より出土。
19世紀第1四半期の遺構。
無釉。
型合わせ、中実。
吽形、蹲踞、顔は右横向き、縦尾、台座あり。
頭上の突起は角でしょう。
高さ5.5㎝。

H1sk221_b

 

 

(5)
K-2 SV5溝状遺構より出土。
1770年代に廃棄された遺構。
無釉。
型合わせ、中実。
阿形、蹲踞、顔は左横向き、台座があり、底部に小孔。
実測図からは3方向に枝分かれした縦尾に見えます。
高さ3.7㎝。

K2sv5_a

K2sv5_b

 

 

(6)
L-3 SK312土坑より出土。
18世紀前半の遺構。
全体に黄釉がかかり、一部に緑釉。
型合わせ、中実。
阿形、蹲踞、顔は左横向き、台座あり。
縦尾で、実測図からは尾の右に渦巻があります。
左は欠損しているようですが、完形なら尾の左右に渦があると思われます。
緑釉の位置は頭部と尾部で、たてがみと尻尾の毛並みに彩色しているようです。
高さ4.3㎝。

L3sk312_1a

L3sk312_1b

 

 

(7)
(6)と同じL-3 SK312土坑より出土。
全体に黄釉がかかり、一部に緑釉。
型合わせ、中実。
阿形、蹲踞、顔は左横向き、縦尾、台座なし。
縦尾で、実測図からは尾の左右に渦巻があります。
緑釉の位置は頭部と尾部で、たてがみと尻尾の毛並みに彩色しているようです。
高さ4.1㎝。

L3sk312_2a

L3sk312_2b

 

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